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第278巻
8時になると、どこも騒がしくなる。
8時半に開会を迎えるからだ。
「ここから30分間は準備時間になるから、その間にトイレとか行っておけよ」
「もう、琴子たちは行っちゃいましたよ」
幌は原洲に告げる。
たしかに、ブースの中には女子の姿はなかった。
「そうか、幌も先に行っておけばいいとおもうぞ。この時間は、それぞれのブースごとに忙しくしてるから、ほぼ人はこないぞ」
「じゃあ、今のうちに行かせていただきます」
幌はそう言って、原洲一人を置いてトイレへと向かった。