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第275巻
深夜1時過ぎ、ぽろぽろと料理部の店に人がやってきた。
ただ、幌は眠っていて、代わりに原洲がさばいていた。
幌には今のうちに眠ってもらって、本番に備えてもらうと言う方針からだ。
「はいよ、3人前ね」
「ありがと」
原洲が品物を一気に作る傍らで、沢入と岩嶋が清算をしていた。
「はい、350円です」
1つを買っていった人に、おつりを支払って、商品を渡す。
それを、ひたすらに繰り返していた。
日が昇り始めるころ、幌がゆっくりと起きてきた。
「おはようございます…」
まだ、ボーとしているようで、立ちあがろうとしない。
「おはよう。まだ午前5時半だから、もうちょっと寝れるけど?」
店に誰も来ていなかったから、沢入と岩嶋も、今のうちに眠っていて、起きているのは部長の原洲だけだった。
「いえ、そろそろ起きないと。多分、姉ちゃんが1時間もしないうちにやってきます」
幌は原洲にそう言って、目を覚ますために顔を洗いに行った。