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第272巻
翌日が文化祭となった日、幌は料理部で最終確認をしていた。
「味は、こんなものかな?」
最終試作品のレシピを、幌が料理部で作ってみて、それを部長以下全員で試食するという確認方法を取っていた。
「うん。大丈夫だね」
原洲が部長として幌の料理を一通り試食してみて、最後に言った。
「では、このレシピ通りに作りますね」
「材料については」
「確保済みです。足りなかったら、近くのスーパーへ買いに走ってもらいますよ」
幌は原洲を見ながら言った。
「…なんで俺を見るんだ」
「さあ」
幌がそっぽを向いた。