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第254巻
今年も、体育大会の季節がやってきた。
「中身は去年と一緒やねんな」
料理部の部室で、琴子が幌に聞いている。
今日はハンバーグを作っているようだ。
まだ、3年生の原洲は部室に来ていない。
だが1年の沢入と岩嶋は既に来ていた。
「そうだな」
1年生二人は、幌の横で、様子を観察していて、料理を作っているのは、琴子と幌の二人だけだ。
「幌は、今回は何に出るんや」
「予定じゃ2人3脚」
「あ、先輩、私と同じです」
沢入が幌に言った。
「そうなのか。じゃあ、ライバルか」
そう言った幌を見ている琴子は、なにか複雑な表情をしていた。