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第250巻
「ど、どうかな……」
琴子が真っ先に男子が待っているところへと向かう。
男たちは、タオルでうまく隠しながら、代わる代わる着替えていたようだ。
すでに水着で待っていた。
「いいんじゃないか」
すぐに言ったのは、雅だった。
少し遅れて幌が琴子を見る。
「うん、いいと思うよ」
それから、それぞれがゆっくりと歩いてきた。
喜んでいる琴子を見て、桜が近寄って耳打ちした。
「嬉しそうね」
「幌に褒められてな…」
「そりゃよかったじゃない。じゃあ、行きましょうか」
桜に手を引かれて、琴子は幌たちが向かっている海へ向かって、駆けだした。