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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
夏休み 部活動編
24/688

第24巻

第31章 夏休み 〜部活動編 公安部・情報部〜


8月入って最初の土曜日。

情報部部室で、公安部、情報部の部会が開かれた。

「やー、あつー」

星井出が言った。

「確かにね。この部屋、クーラーってあるんですか?」

公安部部長の東丸三郷に氷ノ山がきいた。

「結局、こんな熱い部屋にも、クーラーの1台や2台、必要っていうことだな。ちゃんと予算請求をしないと…というよりかは、コンピューターとカに金を使いすぎているような感じがするんだな。その予算を少しでも回したらいいんじゃないか」

東丸が情報部部長の屋久京美やくきょうみに言った。

「それも必要かもねー。というより、今修理中だし」

「クーラーって、もともとあったっけ」

東丸が屋久に聞いた。

「とりあえずは、設置されていたのよ。だって、こんなに暑いのに、クーラーなしって考えられないでしょ。そんなことよりも、両部会をさっさとはじめましょう」

「顧問の先生が来てませんけど…」

氷ノ山がきいた。

屋久と東丸は、同時にさらりと言った。

「いいじゃん。どうせ後から来るって」

そして、屋久が続けた。

「あの立てこもり事件の後、われわれ公安部と情報部の両データベースを洗いなおした結果、ここから男子校に通じている通路の途中で、20年前、金が実際に取れたという話が報告されていることがわかりました」

屋久は、ファイルを取り出した。

「ここにあるこのファイルは、1988年度卒業生の先輩が残していったファイルです。それによれば、男子校と女子校の連絡通路内にて、不審なる物体を発見。握りこぶし大の大きさのそれは、検査の結果純金であることが判明。一時、通路への侵入が急増し、男女問わず一獲千金を夢見た。しかし、それ以後めぼしい発見はなく、さらに当時の公安部、情報部及び職員会議によって通路が封鎖されてしまい、それ以後は噂であるということにし、この事実を封印した」

屋久は、ファイルを机の上に置くと、全員に向かって話した。

「これは、職員会議にて決まったことなんだけど、あの通路は、防犯上の問題で完全に封鎖されることが決まったの。すぐ横に、新しい扉と通路を作って、情報部を通らないように女子高と男子校をつなげる予定よ」

「で、なんでそんな話を急にしたんですか?」

氷ノ山がきいた。

「単純よ。私たちが最後に掃除をして、見つかった分を山分けするのよ。もちろん、部外者を呼んでもらってもかまわないわ。ただし、あまり大勢呼ばないこと。いいわね」

「一人、どれぐらいなら呼んでいいですか」

星井出がきいた。

「そうねー…だいたい5人前後ぐらいまでね。それ以上はちょっと入りきらないかもしれないから」

「わかりました。で、いつ行うのですか」

「今月末から始めるって言っているから、それ以前にはしておかないとね…」

そして、屋久は東丸と一緒にカレンダーを見た。

「…第3週目の、金曜日から日曜日にかけて、なら大丈夫?」

「はい、その日なら空いてますね」

氷ノ山が形態を開けながらいった。

屋久はうなづいて、みんなに伝えた。

「じゃあ、今月の第3週目の金曜日に、男子校側の出入り口で集合。それまでに、来てほしい人には連絡を入れといてね。一人最大5人までだから」

「了解」

結局最後まで顧問は来なかった。


「え?突然だな…」

星井出は、幌に電話をかけていた。

「再来週の金曜から日曜にかけて、あいてないか?」

「…とりあえず、あいてるが…」

「そっか、じゃあ来てくれるよな」

星井出は、来ることを前提に話をしていた。

「わかった。じゃあ、再来週の金曜、男子校の前に行くよ」

「ありがと」

そして二人は同時に電話を切った。


その日になると、呼ばれた人達が、次々と男子校の前に集まってきた。

「なんでこんなところに来なきゃならないの…」

文版がこぼした。

すぐ横にいた、宮司が言った。

「いいじゃん、こんな体験そうそうできないって」

「そうだけど、夏休みも終わりに近付いているって言う時よ」

少し怒っているようだったが、楽しそうでもあった。

ほかにも続々と集まってきた。

その時、東丸と屋久がみんなの前に出てきた。

「えー。よく集まってくれました。これだけの人数が集まれば、最後まで見つかるのではないかと、考えています。では、少し班分けをしておきたいと思います…ま、とりあえず、学年ごとに集まって」

屋久が言うと、とりあえず学年ごとに集まった。

一番多いのは1年生団だった。

しかし、他学年も、1人ぐらいしか違わなかった。

「では、これより通路清掃を開始します。男子校側から近い順に、3年生、2年生、1年生が担当すること。では、男子校側から入ってください。ごみは後でまとめます。1学年に一人の担当教員がつきます。なにかあれば、その担当教員に相談してください。では!」

はじめと東丸が言う前に、誰もいなくなっていた。

ここにいる全員が、あの噂を信じていたからだ。

大学入試期間につき、本作をもって、一時的に更新を停止します。

なお、もう片方の連載作である皇国戦記につきましては、ストックがあるため今後も更新をする予定です。

今後も、私の作品をよろしくお願いします。

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