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第233巻
終業式が終わると、やっと待ちに待った夏休みだ。
「なつやすみだーっ!」
学校の教室で、先生が出て行った途端に騒いでいるのは、桜だ。
「いつものことやけど、元気やな」
桜に言ったのは、琴子だ。
「そうだ琴子。海行かない?」
「唐突に…うみ?」
「そう、海。ちょうどさ、幌たちが行くらしいから」
「ああ、そういや、この前の部活ん時、なんか話しとったな……」
琴子が思い出しながらつぶやいた。
「それで、行かないかなーって思って」
ちょうどそこへやってきた鈴たちにも、桜は話を振る。
「海行かない?」
「いいねえ海。いきたいねえ海」
氷ノ山が桜に言った。
「じゃあ、幌に話しておくよ」
桜がそう言うと、各々部活へと向かいながら、この夏の計画を思いのままに話し合った。