228/688
第228巻
「それで、幌はどうなんだ」
「進路か。そうだなぁ。前見に行った大阪電気通信大学とか、興味あるけどな。まあ、行くかどうかわかんないさ」
雅の話に幌は簡単に答えた。
「進路なんて、遠い話だと思ってたからね」
島永が二人に話す。
「進路かぁ」
空を見上げて幌がつぶやく。
「もうそんな時間に来ちゃったんだなぁ…」
「早いものでね。ま、だれしも通るような道だから、仕方ないさ」
雅が朗らかに幌に答える。
「どれを選ぶにしろ、後悔が無いように選びたいな」
「まあな」
島永が言うと、幌が相槌を打った。