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第227巻
「昨日そんなことがあったんだよな」
島永が、翌日の高校の教室で幌に言っていた。
「天文部でか」
昼ご飯を食べながら、よく集まっている面々といろいろと話している幌は、島永に聞き返した。
「そうそう。そろそろ俺らも進路について真剣に考えないとなぁ」
「とはいっても、島永はもうどこに行きたいか決めてなかったか」
「まあな」
そこに学食でさっさと飯を食べてきた雅が二人の会話にもぐりこむ。
「何の話さ」
「進路だよ」
「ああ、大学か。どこ行くんだ」
雅の話に島永が答える。
「考えてるのは関関同立だな。理系だから、まあ、それの理系の学部に潜り込めればいいかなって」
「なるほどな」
雅がうなづいて言った。