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第226巻
翌日、幌たちは高校にいた。
「そっかー、そんなことしてたんだー」
天文部の澤井陽菜が、写真の調整をしながら、桜の話を聞いていた。
「そんな面白いことしてたんなら、誘ってくれれば良かったのにな」
その横で、澤井を見ている島永宗谷が、残念そうに言った。
「何かあれば、誘うわよ」
桜が、笑って言った。
「あ、そういえば、桜はもう決めたの?」
「何を?」
澤井が視線を桜に向けて言った。
「進路調査書。どこの大学に行くつもり?」
「大学かぁ…」
どこか遠くを見つめる桜。
「甲南大学かなと考えてるけどね。今のところ」
「そっか」
澤井は短く言った。