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第224巻
お弁当を食べるということで向かったのは、大阪ステーションシティ、サウスゲートビルディング15階にある太陽の広場と呼ばれているところだ。
「いい景色ねー」
桜が柵に身を寄りかからせながら、外を見ている。
「そりゃ15階とかになれば、これぐらいの景色になるでしょ」
幌が寄りかかっている桜の手を引いて、内側へ引き戻してから言った。
「それじゃあ、お弁当としますか」
「お昼やな」
琴子が鈴の言葉に反応した。
「今日は、山門の手作りお弁当」
「といっても、幌に教えてもらったんだけどね」
山門は、カバンの中からお弁当箱を取り出して、鈴に渡す。
「俺らの分は?」
幌が山門に聞いた。
「どっかで買ってこいよ。来るなんて聞いてないんだからな」
そうはいっても、幌たちがくることはすでに分かっていたようで、少し多めに作ってあった。