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第213巻
「移動し始めたよ」
二人が動き始めたのを見て、幌が言った。
「追跡開始だね」
雅が後ろで声をかける。
50mぐらい離れて、幌たちは2人の後を追いかけていく。
「どこ行くつもりなんだろ」
幌がつぶやく。
「『ICOCA』にチャージ済みやし、ここから定期区間だけなら、うちらは好きに行けるな」
琴子の言葉に、雅がうなづいた。
「私たちは、電車とか乗るようだったら切符買わないとね」
桜が琴子に答えた。
「と言っている間に、こりゃ、電車だな」
JR線に乗ろうとしている二人を、まずは雅と琴子が入構し、追跡を続けた。
二人は、すでに切符を買っていたようで、券売機へと行くことはなかった。