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第211巻
さらに幌は1週間かけて、お弁当にあいそうなものの作り方を、いくつか山門に教えた。
「これで大丈夫だな。もしもの時はメモ見れば何とかなるようにしてるから」
「サンキュー、これでデートはうまくいきそうだ」
「ところで、デートってどこ行くんだ」
幌は山門に聞いた。
「まあ、遊園地とか、映画とかいろいろ考えてるけどな」
そこに、鈴が通りかかる。
「山門ここにいたんだ。部室の鍵持ってる?」
「ああ、ごめんごめん」
鈴に山門が鍵を渡す。
「それと明日は…分かってるわよね」
「もちろん。大丈夫さ」
そう言っていたが、山門は狼狽しているのを見せないようにしていた。