210/688
第210巻
残った卵も同じようにして全て使い切った。
「あとはしっかりと火を通す。多少焦げ付いてしまっても、風味好き香りたなびくから」
「よっしゃ、分かった」
山門がそう言って、写真を携帯で撮っていた。
「必要なら、後でメモでも渡そうか」
幌が山門に言うと、嬉しそうにしていた。
「ほら、玉子焼き」
すでに皿を用意していた琴子が熱いうちに食べ始める。
「甘いね、これ」
「砂糖入れてるからな。甘いのがいやだったら、砂糖を入れなければ問題ないさ」
幌が言いながらも、片手で簡単なメモを作っていた。