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第209巻
熱したフライパンにサラダ油をタラーリと垂らし、全体になじむように軽く回す。
「サラダ油がなじんだところで、先ほどの玉子を投入。ただし量は、全体の3分の1程度だけね」
すぐにジュワーと音が鳴り出す。
「素早く、薄く広げると、最初はそのままで」
しばらくすると、卵は固まった。
「お箸とって」
幌が誰かに言うと、琴子が渡した。
「ありがと」
幌が琴子に言って、すぐに卵の底を返す。
「この時点で焦げ目がついたらダメだからな。で、ここで3つ折りにして、開いたところに卵をまた入れる。さっきと同じぐらいの量でな」
幌が山門に教えながら、手を素早く動かしていく。




