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第206巻
その日の放課後、山門は料理部にいた。
「今日から1週間、放課後の部室使用許可は得ているから、しっかり教えるからな」
「よろしく」
「まずは、作る前に、どんな弁当を作りたいかのイメージを教えてくれ。それに合うように作っていこう」
「どんな感じの弁当…」
山門は、調理室にある椅子で、ゆっくりと考えていた。
「こんにっちわ~」
そこへ琴子が部室に入る。
「ああ、ちょうどよかった。味見約頼めるか」
「幌が作ったんやったら喜んでやるで」
「教えるのは俺だけど、作るのは山門なんだ」
「…なんや。まあええで」
琴子が椅子に座りながら聞いた。
「ほな、はよやろうや」