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第205巻
月曜日、幌が学校に行くと、山門が相談をしてきた。
「なあ、幌って料理うまかったよな」
「どうしたんだ、藪から棒に」
カバンどころか、教室に二歩ほどしか踏み込んでいない状態で、幌は山門に話しかけられた。
そして、ゆっくりと机に向かいながら、山門がその相談を話す。
「実はな、鈴とデートすることになってな」
「それはよかったじゃないか」
「問題はな、弁当を俺が作ることになってな。それで、やっぱし手作りが良いだろ。それで、教えてほしいんだ」
「なんだ、そんなことで良いんだったら。いつデートだ」
「今週の土曜」
「大丈夫、俺に任せな」
幌が椅子に座りながら、山門に言った。