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第203巻
そんな感じで、穏やかに過ごしていると、あっというまに土曜日となった。
青山さんが帰ってくる日が来たのだ。
最後の散歩を終えると、幌は時計を確認する。
「そろそろか」
「もう11時だね」
やっと起きてきた桜に幌が言った。
「着替えてこいよ。ソラを返しに行くぞ」
「分かった」
それからものの5分で桜は着替えて、リビングに現れた。
「それじゃ、後はどうするの」
桜はまだ眠いようだが、普通に椅子の背もたれにもたれながら、ご飯を造り出している幌に聞いた。
「待っている間は暇だから、昼ごはん先に作ったよ。食べときな」
「わーい」
子供のようにはしゃぐ桜の前に幌は座って、昼ごはんとして作ったカレーうどんを一緒に食べた。