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第199巻
月曜日から、幌は山門にいろいろ聞きながら、ソラを預かっていた。
「散歩か」
授業が終わってから、幌がソラと一緒に家から出るちょうどそのとき、山門と鈴が手をつないで男子校側の校門から出てきた。
「そうだよ。二人とも、これから帰るところ?」
「そうよ。たぶん桜ももうすぐ来ると思うけどね」
「天文部見に行ったのか」
幌は、リードを手に持ちながら、ソラを待たせていた。
山門と鈴は、ゆっくりとしたスピードで、坂道を下りだす。
幌は、二人と同じスピードで歩きながら、ソラの散歩を始めた。