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第165巻
桜川は、飲み込んでから言った。
「とりあえず、さっきの話は聞かせてもらってました。スペック的には映像を重視するっていうことでいいんでしょうか」
「そうね。モニターやキーボードやマウスといった周辺機器はあるから、そのあたりはいらないから、多少は浮くんじゃないかな」
桜は桜川に伝える。
「そうですか。じゃあ、そのあたりで考えてみます。自作しますか、それとも既製品ですか」
「既製品って、普通に売ってるメーカーのパソコンっていうことよね」
「そうです」
「自作したほうが安いって聞いたんだけど」
「それは場合によりますので…」
「幌は?」
桜は幌に聞いてみる。
「姉ちゃんが使うんだから、俺に聞いても仕方ないだろ。姉ちゃんの好きにすればいいさ」
「じゃあ、自作で。手伝ってくれるの?」
「ええ、できる範囲で」
桜川がそういったので、次の土曜日に部品を購入し、よく日曜日に桜の家で組み立てるということになった。
お金は10万円で、はみ出た部分は、なぜか鈴が支払ってくれると言い出したので、そういうことになった。
ただし、鈴は何かを桜に耳打ちしていた。