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第162巻
そうめんはすぐにできた。
「姉ちゃん、できたよー」
しかし、桜の反応はない。
「熱中症で倒れてるとかは、無しだぜ」
幌は桜の部屋に向かった。
「姉ちゃん、大丈夫か」
「…ううん」
「どうしたんだ」
桜はパソコンの前で泣きそうな顔をしている。
「パソコンが、飛んだ……」
「パソコンが壊れたっていうことだな」
幌は、とてつもなく暑くなっている部屋に入る。
「熱暴走?」
「多分」
「こんなに暑くしたからだよ。扇風機持ってくるから、冷やす間、そうめんでも食べよう」
幌はそう言って、桜を部屋から連れ出して、扇風機をパソコンに向けて動かし、保冷剤を側面に置いた。