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第160巻
テストが終わってからの初めての土曜日。
その日は、朝から蒸し暑かった。
幌の家の中も、扇風機をつけているほどだ。
「暑いな…」
今日のお昼ご飯を何にしようか、幌は考えていた。
「そういえば、前にそうめん買ってたっけ」
冷蔵庫の横にある棚の中を確認すると、6束入っている袋が丸々余っていた。
「今日はこれでいいか」
それから、桜に聞くため、部屋へと向かう。
「姉ちゃん、入るよ」
ドアを開けると、ものすごい熱気が幌を襲った。
「あ、幌」
「うわ、あっつ。何してんだよ」
窓はあいているが、あまり意味はないようだ。