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第152巻
レストランは学校から15分ほどのところで、そこそこ繁盛していた。
「ここ、高校に近いから、けっこう長時間いられるんやで」
「本当か。そういえば、大学も近所にあったな…」
「近所と言っても電車とバス乗り継いで30分ぐらいかかるだろ」
幌は山門に言われて、タハハと笑った。
「いらっしゃいませー、三名様ですか」
「ええ、そうよ」
「あら」
店員は一言だけ言ったが、すぐにさっきの営業スマイルに戻り、幌たちを案内した。
「なあ、姉ちゃん。さっきの人と知り合い?」
「ここでバイトしてるんやで、わては」
席に着くなり、さらっと雅の質問に琴子が答えた。
「あれ、バイトってできないだろ」
「まあそれはそれや。別にかまわへんやろ。結構な数がバイトしとるんやし」
琴子はそう言いながら、メニューを取りだした。