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第151巻
土曜日、幌は、10時ちょっと前に待ち合わせ場所にいた。
「おはよう」
「おはようさん」
幌は、やってきた二人を元男子校の校門前で出迎えた。
「しかし、昨日急に電話掛けてきてな。こっちも、大変やってんで」
「ごめんごめん。750円以内でおごるよ」
「750って、また中途半端やな」
「それで、テス勉しようってことだよな」
琴子と山門が幌と合流し、とりあえず教科書や参考書を持って集まっていた。
「そういうこと。で、どこに行くかなんだけど…」
「近所のレストランとかはどう?」
琴子が二人に聞いた。
「いいね。家にいても姉ちゃんが絡んでくるだけだし」
幌が言うと、どこからかくしゃみの音が聞こえたような気がした。