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第147巻
図書室はけっこう混んでいた。
「部活も停止になったから、いくとこがないのか」
「仕方ないね」
山門が幌のよこで話す。
「あそこ空いてるな」
星井出が指さしたところは、大きな6人がけの机だ。
「じゃ、あそこに行くか」
幌たちは、まとまってその机に腰を下ろした。
「で、どの教科からする?」
幌が教科書を机の上に積み上げながら聞く。
「そうだな…」
雅がその山の途中から引き抜いた。
「こいつをしよう」
その教科書は数学2だった。
「虚数だっけ」
「そうそう。2乗したらマイナス1になるっていう数字」
幌がそう言うと、問題集がかばんから出てきた。
「じゃ、そっち方面をしようか」