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第142巻
第144章 帰国[3]
高速で移動している間、桜たちは車の中で遊んでいた。
カラオケをしたり、トランプをしていた。
「あ、上がった」
ババ抜きをしていた鈴たちは、10回目の上りの声を聞いていた。
「そういえば、あと何分ぐらいなんだろう」
桜が携帯を見ながら聞いた。
「あと10分ぐらいよ。もう、関空への分岐となる『りんくうJCT』だよ」
そんな感じに鈴が言ったら、車がゆっくりとカーブを曲がりだした。
「橋が見えてきたわね」
後ろで再びトランプで大富豪をし始めた面々に、鈴が教えた。
「『関西国際空港連絡橋』で、現時点で関空と本州をつなぐ唯一の陸の交通手段よ。愛称として、スカイゲートブリッジRっていう名前もあるわよ」
鈴がよどみなく話す。
「どこで覚えたのよ」
「昨日、ネットで調べてね」
一同の笑いを誘うと、車は橋に入った。