第139巻
第141章 レポート作成 [6]
幌のカレーを食べ終わると、最後の段落の確認に入った。
「じゃあ、いくね」
桜が集まった顔ぶれに確認をした。
「まずは、イギリス王室から。イギリス王室の王太子は、現在、プリンス・オブ・ウェールズという称号をとることになっているわ。今のところ、チャールズ王太子殿下がこの称号を使うことを許された人ね。殿下は1948年11月14日にお生まれになられたの。殿下の御子息としては継承順位第2位のウィリアム王孫殿下、同第3位で弟にあたるヘンリー王孫殿下。チャールズ王太子殿下の弟であられるアンドルー・ヨーク公爵殿下、娘であるベアトリス王女殿下、ユージェニー王女殿下などなど。ちなみに、イギリス王位継承順位は、第1793位までは最低でもあるそうよ[作者注:英語版Wikipediaより参照;http://en.wikipedia.org/wiki/Line_of_succession_to_the_British_throne]。この順位を決めるためにはいくつかの条件があって、ステュワート家の血を引いている者であること、プロテスタント信仰者であり、王位継承をした後、イングランド国教会、スコットランド国教会へ帰属すること、非嫡出子ではないことなどがあるわ。これらは王位継承法という法律に書かれていることよ」
そう言って、桜は面々を見間渡した。
「ここまでは?」
「大丈夫そう。続けてもいいよ」
氷ノ山がそう言ったのを聞いて、周りはうなづいた。
桜はそれを見て、続けた。
「日本の皇族は、現在の皇太子は、徳仁親王殿下で、昭和35年2月23日にお生まれになられたわ。昭和35年ていうのは1960年ね。平成13年(2001年)には、長女である愛子内親王殿下がお生まれになられたわ。第2位は、皇太子殿下の弟である秋篠宮文仁親王殿下、第3位は、長男であり、唯一の皇孫である悠仁親王殿下。第4位は、今上陛下の弟である常陸宮正仁親王殿下。第5位は今上陛下の叔父にあたる三笠宮崇仁親王殿下。第6位は、崇仁親王殿下のご長男である寛仁親王殿下。第7位は、寛仁親王殿下の弟になる桂宮宜仁親王殿下だね。皇位継承については、皇室典範によって男子にのみ継承されることになっているから、内親王もしくは女王には継承できない。ちなみに親王、内親王は孫の世代まで、それ以降は王、女王ということになっているよ」
桜はレポートを表紙へ戻して、全員に聞いた。
「これで提出するけど、大丈夫?」
みんなうなづいた。
その時、幌が桜に言った。
「終わったんだったら、もう帰るぞ。この部屋も鍵掛けるから、荷物持って外へ出てくれ」
「分かったー」
幌に促されるままに、荷物をまとめ、料理部の部室から出た。