第136巻
第138章 レポート作成 [3]
その後、琴子や鈴が持ってきた資料によって肉付けをしていき、レポートをまとめた。
「1時間ではこれが限界かー」
「仕方ない。これをあと3回して、発表になるんだから、それまでに仕上げないと…」
「どこかで集まってする?」
それぞれが思い思いに話しつくしてから、桜がまとめた。
「分かった。明日の放課後、パソコン部に集合ね」
そう言って、今日は解散した。
桜が家に帰ると、すでに幌は帰って夕食の準備をしていた。
「おかえり」
「ただいまー」
制服を着替えて、幌が聞いてみる。
「姉ちゃん、レポはできてるの」
「骨組みはできたよ。肉付けも半分はできたけど、残りじゃ間に合わないかもしれないから、放課後に集まることにしたのよ」
「じゃあ、明日は今日よりも遅くなるのか」
「そう言うことになるわね」
「そうか…」
幌は何か考え込むようにつぶやいた。
それから、フライパンをあおっていた幌が聞いた。
「そういや、どんな内容になったの」
「最初に皇室の歴史とイギリス王室の歴史を比較して、それから『エリザベス2世』女王陛下と天皇陛下を比較、最後にそれぞれの宮家についてを比較ということにしてるわ。ねえ知ってた?紹鴎陛下のイギリスにおいての正式な称号って、『神の恩寵による、グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国ならびにその他の諸王国および諸領土の女王、イギリス連邦の元首、信仰の擁護者、エリザベス2世陛下』になるんだって」
[作者注:Wikipediaのエリザベス2世のページ内[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B6%E3%83%99%E3%82%B92%E4%B8%96]より抜粋。なお、英語の称号はHer Majesty Elizabeth the Second, By the Grace of God of the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland and of Her Other Realms and Territories Queen, Head of the Commonwealth, Defender of the Faithとなります]
「よく覚えたな。そんな長いの」
「え、普通に覚えれるでしょ」
桜はあっけカランといった。
「…いいや。それより、ご飯はいつ頃食べたい?」
「6時ぐらいでいいや」
そう言って、桜はテーブルから離れて、自室へ歩いて行った。