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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
1学期期末考査編
13/688

第13巻

第19章 1年生1学期期末考査


試験当日の日。幌はいつもより少し早めに起きた。

そして、朝ごはんを作った。


少し遅れて、ご飯の匂いに引き寄せられた桜が起きた。

「おはよー…」

頭は、寝ぼけているようだった。

だが、姉のボーとした顔と寝癖を見た幌は、すぐに洗面台を指さして言った。

「サッサと顔を洗いに行ったら。そんなんじゃ、彼氏もできないよ」

「別に…幌がいるからいいじゃない……」

本気かどうかわからない口調で、フラフラと洗面台へ向かった。

(大丈夫かな…)

そんなことを考えながら、幌は朝ごはんを仕上げた。


食べ終わると、食器を片づけて、さっさと勉強体制に入った。

「とにかく、あと30分はできる」

幌は教科書を開いていたが、その目の前で桜は朝ごはんを食べていた。

しかも、半分寝ぼけていた。

「何読んでるのー…」

「教科書」

「なんか美味しそう…なにがあるの?チーズケーキ、モンブラン、ああショートケーキも美味しそう…」

「何言ってるの?」

「だって、今日のお菓子でしょ。そんなの見ているぐらいだから、今日はお菓子が晩御飯なのかなーって」

「そんなの聞いたこともないぞ」

幌は教科書を見る手を休めなかった。

桜はもそもそとご飯を食べていた。


学校に向かうと、すでにみんなが勉強をしているようだった。

桜は、とりあえず回復して向かった。


「ふぁ〜」

「寝むそうですね」

山口が桜の近くに座った。

「そうなのよ…朝から眠くて……」

「テスト回答中に眠らないように注意をしておかなければなりませんね。頑張ってください」

「そう言う山口はどうなのよ。ちゃんと勉強してるの?」

「はい、ちゃんと予習復習は完ぺきにしているつもりですよ。行きたい大学がありまして、そこに行くために努力を尽くしています」

「そっか…もうそこまで考えているんだ…」

桜はそう言って、空を見上げた。


幌の方も今日からテストが始まることになっていた。

「幌〜、今日のテストってなんだった?」

宮司が幌に聞いた。

「黒板見ろよ。ちゃんと書いているだろ」

「目が悪いとな、一番後ろから黒板が見えなくなるんだよ」

「ったく。今日は、現代文、情報、家庭基礎だな。次いでに言うと、明日は理科総合と英語、3日目は数学1と現代社会、4日目は古典とOC1、最終日には数学Aと保健が待ち構えているな」

「嫌いなものばかりだー、うわー…」

宮司は、燃え尽きた。

「とにかく、テストは受けないといけないんだからな。これが終わったら、夏休みまであと少し…」


幌たちが受け終わると同時に、桜たちも初日のテストが終わった。

「ふぁ〜…」

「桜さん、まだ眠いのですか?」

「そうなのよ…テスト中も寝ちゃったし…」

桜は、近くの席にいた山口と話していた。

「そのようですね。顔に跡が付いていますよ」

「え、うそ…」

桜は、あわててトイレへと向かった。


家に帰ってきた二人は、とりあえず、昼ごはんを食べた。

それから、幌は自室に戻り、桜は桜の部屋にに置いてあるパソコンに向かって、何かし始めた。


翌日、再び眠そうな桜は、幌が作った朝食を食べて学校へ向かった。


教室につくなり、琴子が桜の机に近寄って伝えた。

「なあ、桜。これなんやと思う?」

琴子が桜に見せたのは、何かの広告だった。

「バイト募集中…ああ、この近くに新しいレストランができるのよ。それで店員やバイトを募集しているんでしょ」

「そっか…でも、うちはあかんな。そもそも、この高校、バイト自体認めてへんしな…」

琴子は悩んでいるようだった。

「琴子さ、悩みすぎだよ。広告なんだから、そのまま無視しとけばいいじゃん。それが普通っていうことだよ」

いつの間にいたのか、氷ノ山が話に割り込んでくる。

「とにかく、今回のテストをどうにか過ごさないと。それが何よりも先決でしょ」

「そうやね…」

そんなとき、チャイムが鳴った。


幌の方では、テスト中だった。

2時間目の途中、20分が経過したとき、それは起きた。

突然携帯電話が鳴った。

「誰だ!」

監督の先生が怒鳴った。

誰も返事をしなかった。

「分かった。テストは続けてかまわない。だが、このまま誰かが名乗り出ない限り、お前ら全員0点だ!」

先生は、そう宣言した。


テスト終了後、各自の携帯を確認していた。

だが、誰のものでもなかった。


家に帰り、そのことを桜に話した。

「あっはっは〜、それは災難だったね」

桜は笑った。

幌は続けた。

「笑い事じゃないよ。そのせいでテスト0点にされたらたまらないんだからな」

「でもさ、それって先生の携帯かもよ」

「…そっか、あのとき誰も先生の携帯を確認していない…」

「生徒の誰でもなかったら、生徒以外で唯一携帯を持っていそうである先生を疑うべきだよ」

「…明日聞いてみるべきだな」

「それがいいよ」

そして、今日も終わった。


考えてみるとなぜ誰も気づかなかったのだろうか。

翌日、幌はそのことを先生に話した。

「そうか。後で確かめておくよ」

担任はそれだけしか言わなかった。


テスト最終日の日。

最後のテストも終わり、みんながやっとゆっくりしている時、問題の先生が教室に入ってきた。

「2日目、2時間目になった携帯は、どうやらおれのものだったらしい。みんなを疑って悪かった」

それだけ言うと、先生は教室から出て行った。

生徒一同は、それを聞いて0点の危機を回避できたと安堵したが、その一方で、すぐに気付かなかった先生を恨んでもいた。


第20章 夏休みの予定


テストが明けると、もうすぐ、夏休みが来ることになっていた。

桜たちは、教室の桜の席で、昼ごはんを食べていた。

「じゃーん。いつものように幌に作ってもらったお昼ご飯だよ」

桜が、一緒に座っている人たちに弁当箱の中を見せた。

「いつものように、おいしそうですね」

山口が言った。

「でっしょ〜。いつも幌が作るごはんはおいしいんだ〜」

「そやな。前食べさせてもろた時も、かなりうまかったもんな〜」

琴子がいった。

「料理部の時?」

「そやで。幌がわてと一緒に暮らしてもらえるんやったら、わて、ご飯のことは考えんでええんやけどな」

琴子が窓の外を見た。

「そう言えば、皆さんにはお話ししましたか?」

「何の事?」

唐突に山口が口を開いた。

「わたくしの別荘のことです。皆さんをご招待しようかと考えているのですが、よろしいでしょうか」

「あの家で別荘持ってるって、どんだけ金持ち…いやいや、そんなことよりも、私は構わないよ」

氷ノ山が伝えた。

他の人たちも同意していた。

「分かりました。では、男たちにはどうやって連絡を取りましょうか。特に、永嶋さんあたりを…」

「幌に相談しておこうか?幌から伝えておいたら、みんなに話が伝わるだろうからね」

桜が山口に伝えた。

「ありがとうございます。それでは、よろしくお願いします」

「…ところで、なんで永嶋を特に来させたいの?」

氷ノ山が聞いた。

「え!?そ、それは…」

山口はうろたえた。

桜がすかさずフォローを入れた。

「まあ、女の子同士だったらわかるでしょ。とりあえず、そっとしておこう。ね?」

桜は、そう言って全員を静かにした。


#おまけ#


テストが帰って来た。

幌たちのクラスでも、テストが帰って来るたびに一喜一憂していた。

「どうだった?」

雅が、幌の近くに来た。

「だめだめ。前より上がったりさっがたりさ」

「理科系統は?」

「少し下がった…でも、理科総合ってまだ簡単だからさ、まだ大丈夫」

「何点だった?」

「88点」

「…前何点だったんだよ」

「96点だったよ。一番良かったからよく覚えてる」

「…やっぱおまえはすごいよ…」

雅はそう茫然と答えた。


桜の方も、テストが帰ってきていた。

「どうでしたか?」

山口が桜の近くによって聞いた。

「悪かった〜」

「どのくらいの点数でしたか?」

「理科総合が99点だった〜。それよりも、思ったより国語がよかったよ。現国が89点だった。山口は?」

「ほとんど95点以上でした。現代社会だけが、94点でした」

「それだったらいいじゃない」

桜は、山口の肩を叩いた。

「また次回があるわよ。それまで頑張ればいいのよ」

「そうですね」

その時、いつもの面々たちが現れた。

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