第128巻
第130章 週末旅行[2]
土曜日になると、桜がもそもそと起きてきた。
「姉ちゃん、今日は旅行の日でしょ。こんなにゆっくりでいいの」
「大丈夫、大丈夫。今何時?」
「8時」
「だったら大丈夫。待ち合わせは9時だから」
桜はそういって、幌が用意していた朝食を食べ始めた。
8時45分ごろになると、桜は旅行の準備を整えて、玄関先で待っていた。
「おっはよー」
琴子が最初にやってきた。
「おはよう。早いね」
「当たり前やろ。こんなおもろいこと、逃す手はないがな」
「もうちょっと遅く来ても良かったのにー」
「何言うてんねん。5分前行動は基礎中の基礎やろ」
笑いながら、桜に話しかけた。
「あれー?もう来てたの」
アクサンと連れ添ってきた鈴が桜たちに言った。
「9時までは時間がありますよー」
アクサンが言った。
「まあなんや、9時にここで待ち合わせゆーてて、あと誰が来とらへんのや」
琴子が指折り数えた。
「氷ノ山、桜、文版、鈴、アクサンとわてか」
「じゃあ、氷ノ山と文版が着てないのね」
「9時までは待ちましょ。メールでも出したら、今の場所もわかるだろうし」
桜はそう言って、一旦、その場にいた鈴、アクサン、琴子を家にあげた。