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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
留学生編
124/688

第124巻

第126章 留学生[2]


アクサンは、結局、くじ引きで鈴、桜、琴子の班に入ることになった。

「よろしくね」

桜が握手をするように手を差し出すと、アクサンはそれを握り返した。

「よろしくお願いします」

まだ緊張しているように見える。

「なんや、そんな緊張せえへんでもええんやで。同い年やないか」

「そうですけど、あまり日本語うまくないし…」

「そんなことあらへん。わてよりかズゥッと上手いから、安心しいや」

「そうですよ、何も怖がることはありません。私たちが付いているんですから」

鈴も琴子の後ろからアクサンに話しかける。

「本当…?」

「ええ、本当ですよ。学校にいる間、日本にいる間は何を聞いてもいいですよ」

鈴はアクサンに微笑みかけながら言った。

「そうだ、メルアド交換しておこう。何かあったときに連絡取れるほうがいいでしょ」

桜が提案すると携帯電話をポケットから取り出して、赤外線通信で情報をやり取りした。

「これで大丈夫」

「ほんなら、次の課題に取り組もうか。発表はどないする?」

「えっと、私からいいですか?」

アクサンが琴子に言った。

「もちろんやないか、なんでもバシイッと言ってくれてええんやで」

「私、イギリスで興味があったものの中に君主についてがあったんです」

「それって、天皇っていうこと?」

「日本ではそうですね」

「よっしゃ、ほなそれにしよ」

琴子がすぐに言うと、アクサンは驚いたように聞き返した。

「なんや、イギリスの王室と日本の皇室の違いについてとかがええやろうか」

「それでいいと思いますよ」

とんとん拍子に決まっていくことに、アクサンはついてこれていないようだった。

桜は鈴と琴子が話した内容をすぐにアクサンにかいつまんで説明をした。

「…で、大丈夫?」

「はい。でも、私なんかでいいんですか…?」

「当たり前やないか。アクサンかて、わてらのクラスの一員なんやで。そんな仲間外れみたいなことできるかいな」

琴子が言い切った。

アクサンはわずかにうつむいて、うなづいた。

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