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女子高と男子校  作者: 尚文産商堂
家出編
122/688

第122巻

第124章 家出[5]


「ありがとうございました」

列の最後に並んだ鈴と山門だったが、運よく最後の3つを買うことができた。

プリンの容器を入れてもらったパックを手に提げながら、山門が鈴に言った。

「買えてよかったね」

「本当にね」

行きの疲れからか、鈴は少し元気がなさそうに見えた。

「大丈夫?少し休もうか」

「ううん、大丈夫だから」

山門に笑いかけながら、鈴が言った。

「休みたくなったらいつでも言えよな」

山門がそう言うと、鈴は軽くうなづいた。


それから、いろいろと話しながら山門の家の前にまで来ると、車が一台止まっていた。

「誰の車だろ」

「…多分、お父さん」

山門が独り言を言うと、鈴がそれに合わせるようにボソッと言った。

鈴が言うと、山門たちがいるほうのドアが開き、中から長身の男性が出てきた。

スーツを着ていて、いかにもどこかの社長という貫禄を醸し出していた。

「昨日、お電話をした山口広管です。永嶋山門さんですね」

「そうです」

広管の姿を見て、鈴が半歩下がって山門の陰に隠れようとした。

「鈴がお世話になりました。迎えに来たんですが…」

「なんだか嫌がってるような感じなんですが」

山門が自然に体を動かし、広管の視線から鈴が見えないように遮った。

「そうですか…」

残念そうな表情を浮かべ、広管は言った。

「お父さん…一緒に食べる?」

そんな父親を見て、鈴が山門が持っていた袋を見せた。

「でも…」

「ちょうど3つ買えたんです。おひとついかがですか」

山門が広管を家の中へ誘った。

「なら、少しお邪魔させていただきましょうか」

なんとなくほっとした表情を浮かべて、広管は山門と鈴について家の中へ入った。

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