第114巻
第116章 仮入部期間[1]
1年生たちが勉強合宿を終えてから、本格的な部員勧誘は始まる。
「各部活の代表者は、放課後に生徒会室に集合して下さい。新入部員の勧誘についての説明をします」
生徒会長からの張り紙として、靴箱から教室へ向かう最中の掲示板に貼られていた。
それを見ていた幌が、ぽつりと言う。
「そっか、もう一年たつのか」
「そうだな」
幌とほとんど同時に来た、星井出に話しかけられた。
「それで、情報部の勧誘ってどうやってするんだ」
「情報部と公安部は勧誘はしないよ。するのは、入部希望者から書類を提出してもらって選抜するっていう方式」
「あれか、企業面接とやらと一緒な訳か」
教室へ歩き出したとたんに、さらに雅が後ろから追いかけた。
「そんな感じかな?」
「で、雅はアニ研だったな。勧誘とかしても誰か入るのか?」
「毎年3人か5人ぐらいは入ってるから、まあ今年も入るだろうさ」
「楽観的だな」
教室は4階にあるため、階段で1階上がる必要があった。
その階段を半分ぐらい上がると踊り場があり、そこで部活の張り紙を見つけた。
「これ、今日から張り出し許可出るんだっけか」
幌が星井出に聞いた。
「どうだったかな…」
星井出は携帯を開いて、日程を確認した。
「そうそう、今日から」
「そうか、だったら俺も放課後に貼っておくか」
幌は星井出の話を聞いて、何か考えているように言った。