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タイトルとあらすじは重要なのだと思う今日この頃。

「違う。道に迷ったんじゃない。ただ、次の街への方向をお前から聞いていなかったことが原因だ。つまり、お前が悪い」


「お前、さっき道に迷ったって自分で認めたじゃねぇか」


「…知らんな」


 意外と子供っぽいところもあるらしい。今までそんな素振りをしていなかったから、てっきりそういうもんだと思ったが、聞けば高校三年生というし、幼さも残しているのだろう。


「んで? どっちなんだ?」


 地味に武器の補給を催促しながら聞いてくる。


「言われなくても分かってる。んでだな、あっちだな」


 そうして俺が指したのは先ほどの男たちが去っていった方向である。ちなみに今回渡したのは水の魔刀と火の魔刀、銃が三丁に、手頃な投擲用のナイフが数本。


「それにしても厄介ごとの匂いしかしないな。装備だけ整えたら、さっさとその町は出るとするか」


 既に時刻は昼を回り、変な寄り道をしていると閉門時間になってしまう。


「少しばかり急ぐぞ」


 コウが俺に向かって話してくるが次の瞬間にはペースを上げていた。


 木が生えていて、根によって歩きづらい森の中をまるで普通の道を走るようなスピードで駆けていく。


 必死についていこうとするが、生憎、こんな道を通ることなんて滅多にないんで俺はつっかえつっかえになりながらもコウを追いかける。


 途中で何回か見失ったが、大体魔物を狩って時間をつぶしていたのでその間になんとか追いついていた。


 そんなことを繰り返していれば森を抜け、舗装された道に出る。


 次の街は、辺境ながらに結構盛んな街で有名な商人なんかも支店を多く出したりしている。この土地を治める貴族が結構なやり手らしく、ここ数年で最も発展していると言っても過言ではないほどだ。


 コウの急ぎ足で思っていたよりも早く着いたがそれでも、夕方にはなっており、装備を整えるための買い物も明日になりそうだ。


「今日、何とか行けないか?」


「無理だろうな。諦めろよ。さっさと出たいのは分かるっちゃ分かるが流石に全部回ると閉店する店が出てきちまう」


 渋々だが、納得はしてくれたみたいだ。今回も街に入る際に門の兵に宿を聞いたが、少しばかり気が立っていたのか、教えてくれなかったために自力で探さなきゃならない。


「コウ、ちょいと誰かに話を…」


「分かった。んじゃ、話をするのは任せる」


 堂々と俺に全部投げてくるコウだが、俺の役目みたいなところはあるから仕方がない。


 とにかく話しかけようと大通りを歩いていた

 人にターゲットを定め、声を掛けようとする。


「ちょ、お前、そいつはやめろ」


「すみません、ここの街でいい宿は知りませんか?」


 コウが何かを言っていたようだが少しばかりいうのが遅かった。既に先を行く人の肩を叩きながら道を尋ねてしまっていた。


「ん? あぁ、それならーー!お前ら、さっきの森の中の!この街に来てたのか。言ってくれれば、お礼なり…。いや、悪いがついて来てもらえないか? 助けてもらったばかりなんだが、その腕を見込んで頼みがある」


 ていうか、お前そんなキャラだったか?なんて考えていると横からコウが話をする。


「断る。さっきは助けたが、今回も助ける義理はない上に何の得がある?」


「そ、それはだな…。来てみればきっと分かる。しかも、宿を探してるわけだろ? 少なくとも泊まるところは用意できるわけだ。話だけでも聞いてはくれないか?」


「…案内しろ」


「よし、こっちだ。ついてきてくれ」


 コウが止めた理由は面倒ごとの匂いを感じ取ったのだろう。それにしても、よく後ろ姿で見分けがついたもんだと感心する。その事実に気付いた俺は僅かながら、罪悪感を感じていた。

サブタイが数字になったのは決してタイトルを考えるのが大変だからではないですよ?本当ですよ?

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