嘘つき。
初めまして。
少しでも楽しんで頂けることを祈っています。
約束したあの日。
無邪気に、ひと欠片の心配もせず私たちは未来を語った。
当たり前の未来が来るとは限らないと知らずに...。
いつの事かな。正確には分からないけどだいぶ昔。
まだ私が小さい頃。
私は恋をしていた。それは初恋だった。
隣の家、同じ保育園の、にかっと太陽のように笑う男の子。
大好きだった。私の宝物のような恋。
私は両親の転勤を機にその街を離れた。
初恋の男の子と、離れた。
「絶対忘れないよ!だから___も俺のこと覚えてて!!」
約束した。
「お前が帰ってくるまで待ってる!また会える!!」
また会おうって
「約束っ!!」
約束、したんだ。
何年ぶりかな、その街に帰った私を待っていたのは...
――――嘘つき。
待ってるって言ったじゃない。約束したのに。
あなたが言ったのよ?また会えるって...。
その街に帰った私を待っていたのは、
彼はもう居ないという知らせ。
彼がもう、どこにもいないのだという嘘みたいな、
あの頃の私たちの当たり前じゃない未来...。
誤字脱字などありましたら教えて頂けると嬉しいです。
拙い作品を読んでいただき、ありがとうございました!!