掌編小説集1 (1話~50話) 恋人達の季節 作者: 蹴沢缶九郎 掲載日:2015/12/09 天界に神様がいた。その神様は風呂嫌いで有名だった。 お付きの天使が言う。 「神様、失礼ながらちょっと臭いますよ。」 「そうか?気にし過ぎじゃないか?三ヶ月前に風呂に入ったばかりなのだがな。だが確かに頭が痒いかな。」 神様は雲の端まで移動すると、頭を下げ、ボリボリと掻き始めた。 クリスマスの夜、電飾に彩られた綺麗な街を闊歩する、幸せそうなカップル。彼女が手を出し、空を見上げながら言った。 「見て、雪よ。素敵ね。」