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異世界三毛猫珍道中  作者: 冴月(元:九尾の白狐)
辺境の村「ラークウッド」編
6/6

三毛猫、(改めて)魔法を見る

魔法、使ってみたいなぁ……。



こう、ギ○デインとかア○テマとか使ってみたいよね。





 どうも皆さん、サクラです。本日は、山に来ています。


 ん? 何でいるか?


 ……猫ってさ、狭い所居ると落ち着くんだよ。だから、家にある適当な木箱の中で寝てたんだが……起きて出たら山に居たのさ。一緒に運ばれてしまったらしい。不幸だ。


 まぁ、このままここに居ても暇だし、探検ってことで色々歩いてるんだけど、危険はないのかな。この世界って、魔法とか剣があるぐらいだから魔物とか、妖怪とか出て来るんじゃないか?




 とか考えながら歩く。


「……」


 …………。


「………………」


 ……なんか視線を感じる。


 ……いいな、俺。ゆっくりだぞ。ゆっくり後ろを向くんだ。何があっても逃げれるように、たとえ何かが後ろにいても、刺激をしないようゆっくりと……。


俺「……」


メートル級クモ「……?」



 俺は、ゆっくりと顔を戻した。


 ……息をゆっくり吸って……。


「ギニャァァァァァッ!?」


「キシャァァァァァッ!!」


全力で逃げ出した。



マジかまじかまじか! まさかとは思ったけど、こうもいるもんなのかよ!!


「ギャッ!!」


「ニャッ!?」


 何か、白いモノが俺に降りかかる。


 ペロッ……これはクモの糸!


「フニャア!?」


 馬鹿なことやってないで早く逃げなければ……そう思ったが、新しく吐かれた蜘蛛の糸に、今度は足を絡まれる。


 ドシドシと音を立てながら、ゆっくりと近付いてくるクモ。無数の目でこちらをギョロリと一瞥。そして牙を大きく開けた。





 ――く、喰われるッ!?



 そう思った。











 だけど次の瞬間。 


「ギャギャア!?」


 クモの腹部に、半透明の何かが突き刺さる。


 クモは、ギャアギャア叫びながらその場から逃げ出した。


 な、何が起きたんだ……なんかつらら見たいのがクモの体に突き刺さって……わッ!?


 ヒョイと持ち上げられる。


 何かに掴まれた……そう思ったけど……。


「……サクラ、大丈夫か?」

 目に入ってきたのはお父さんの顔だった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 お父さんは、俺が「サクラ」だと気づいて助けてくれたようだ。ようだっていうか、実際に「サクラ」って呼ばれたしな。


「何でこんな所居るんだ……」


 木箱の中で寝てたらこうなりました。

「……兎に角、連れてかないとな」


 その瞬間。


 パァッと辺りが光に包まれた。


 そして、気が付いたら自宅に。


「ニャニャッ!?」


 つい叫ぶ。


 そんな俺をよそに、お父さんは俺をテーブルの上に置いて、


「さて……戻るか」

 またまた光に包まれる。


 そして、気が付いたら姿は無かった。

「……」


 な、何があったんだ? 光に包まれて、自宅にいて……あ。


「ニャア(魔法か)……」


 勝手な推測だけど。……そう言えば、あの変態騎士様も色々出してたや……あれも魔法か。


「ニャー(人間だったらなぁー)」


 調べる事も出来ただろうけど。今現在俺は猫だから難しいか。




 ……まぁ、とりあえず。魔法っぽい物があるってだけでも知ることが出来て良かった。これから面白くなりそうだ。





 そう思いながら、俺は、その場に丸くなった。





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