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異世界三毛猫珍道中  作者: 冴月(元:九尾の白狐)
辺境の村「ラークウッド」編
3/6

三毛猫、名前がつく

※2018.8.5:本文を校正&追加



 俺は今。四角のテーブルの中央に座らされている。


 逃げようにも、東西南北が四人の人で塞がれている為、出来ない。


 俺の退路を塞いでいる者の一人。エルが口を開く。


「……それではっ! 今から猫さんの名前をきめようの会をしたいと思いまーす!」


「「「わー!」」」

「(『わー』じゃあねーよ!)」


 ツッコミを入れるが声が届かない。不便だ……。


「それじゃあ、お母さん。なんか良い名前ない?」


 エルが、俺を抱きながら聞く。……ちょっ、強い! 締め付けが強い!


「そうねぇ……ピーコ、なんてどうかしら」


 それは鳥につけるような名前じゃないか?


「じゃあ、おすぎって名前の猫つれてこなきゃね!」


 そっちの話!?


「お姉ちゃんは?」

「うーん……クリ○ン?」


 俺に人間最強の名前を付けちゃいます?


「じゃあ私は「却下」」


 お母さんが落ち込む。何故、いう前に却下されたのか……。


「じゃあ、エルはどうなの?」


 お姉ちゃんが、エルに振る。


「うーん……」


 真剣に悩み始めるエル。


 数秒後、「これは名案!」と言わんばかりの顔をして、言った。










「……もう、名前考えるの面倒くさいから『ネコ』でよくない?」


「ニャアアアアッ!!(こらぁぁぁぁッ!!)」

「わっ!?」


 突然鳴いた俺に驚き、抱き締めてた俺を離す、エル。


「にゃにゃあ!(何でだよっ!)」


「え、抱きしめてほしい? しょーがないなー……えいっ」

「ギニャッ!?(ぐわっ!?)」


 再びエルに抱きしめられる。だから強いんだって!!


 ……と、いきなりエルの腕から引っこ抜かれた。


「あーっ! お父さん何するのーっ!」


 お父さん? この、めっさ体格良いこのおっさんか。……やけに無表情だな。しかも顔こえー。


「……」


 すると、お父さんはいきなり俺を撫で始めた。……なんか。すごく、大きいです(手が)。


 俺が、テクニックにフニャフニャになっていると、お父さんが口を開いた。


「……サクラ」


 サクラ? サクラ……桜の事?


「サクラって……東方のあのピンクの花の事?」


 お母さんが聞く。

 お父さんは、俺を撫でながら無言で頷いた。


「サクラ……サクラねぇ……良いんじゃない?」


 お姉ちゃんが言う。


 エルは、お父さんから俺を取り、抱き上げる。


「よーし! 今日からサクラってなまえだよ! よろしくねっ!」


 ぎゅうっと、エルは俺を抱きしめた。……どーやら、暫くは逃げ出せないな。

 ま、これからは「サクラ」として頑張りますか。











 あれ? 俺、元の名前何だっけ……?

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