表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちぇんじ!  作者: ミクロ
3/3

こんな家族です。2


私、真柴梨穂子は不良が嫌いだ。


何かにつけて殴り合うし、口は悪いし、それがカッコいいと思っている。


特に私みたいなつつけばすぐ泣き出しそうな奴は絡まれる。

実際、不良が訪れる確率の高い私の家は半泣き状態になるまで絡まれる。


だからといってはなんだが、私はその不良である兄が嫌いだ。


絡んではこないけど、夜友達とファミレスでご飯を食べようと家を出ようとすると



「りほ、お前何時だと思ってるんだ」


とか言って睨んでくるし。

それが最高級に恐ろしいもんだから、答えずにいそいそと出て行くんだけど。


一回真夜中に帰って来た時の怖さったらなかった。

無言で睨むは急に不機嫌になるわで大変だった。しかも、それから2週間くらい玄関の前で仁王立ちして待ってるし。

何だ。私が遊ぶのがそんなに気に食わないのか。

自分なんて不良街道真っしぐらなくせに。


なんて、目の前では言えるわけもなく。

私はいつも負けるのだ。この、無駄に顔の良い男に。


あ、顔がよいといえば、私の家族は無駄に顔の多いやつが多いのだ。


まず、私の弟、真柴(ましば)(かける)。現在16歳の高校1年生で私と同じ学校に通っているのだが、それはそれは綺麗な顔をしていらっしゃる。目は母親似でタレ目だが、他は兄と一緒の顔だちをしている。さらに性格も穏やかで、こんな家族の中でも平凡すぎる私にも優しすぎるくらい優しくしてくれる、私にとっていわば天使のような存在だ。あとは身長が伸びればいうことなしだと思うが、まあ、まだ16歳だからその内伸びるでしょう。


次は、私の妹、真柴(ましば)知恵(ちえ)。現在15歳の中学3年生の受験生だ。ちなみに大学生のイケメン彼氏がいるオマセさんだ。でもまあ、この子も中学生で大学生の彼氏を持つだけの容姿を持っているんですがね。白い肌に華奢な体。身長は比較的平均的だが、元来の大人っぽい雰囲気でいろんな男性を射止めてはコロコロ彼氏が変わっていくという、羨ましいんだか可哀想なんだか分からない子だ。

…知恵に誘われて時々合コンに行っているのは家族には内緒だ。


そして最後に、私の両親。両親を褒めるのもなんだが、本当に私の親なのか疑いたくなるくらいの美男美女。いまだに街中を歩いているとナンパされる母親。そして、女性よりも男性にモテる強面の父親。私はいまだにこの二人から生まれてきたのか不思議に思っている。


とまあ、こんな感じで、私の家族ってば誰一人として私に似ていない。泣きたくなるくらいね。劣等感を抱くのはいつものことだし、もしかしたら私拾われた子?と思うのもいつものこと。だけど、最近はそんなことも考えなくなってきている。

友達に、「何でりほちゃんだけ似てないの?」なんて言われても、私にとっちゃまさに「知るか」だ。そりゃ私が聞きたいこと。容姿の差を知った小学校低学年から私が抱き続けている疑問だ。母親にも「何で私だけお母さんとかお父さんに似てないの?」なんて聞いたのも遠い昔だ。


もう慣れた。そう、あのまったく似ていない家族の顔を見るのも、友達から不思議がられるのも、陰で何か言われるのも、全部慣れたのだ。

でも私、あの顔になりたいなんて思ったこともないの。だって、めんどくさいんだもん。告白されるし、人からは注目あびるし、因縁つけられるし…。今まで家族として彼らを見てきて、容姿が整っていてもよいことばかりじゃないのだと分かったのだ。むしろめんどくさいことだらけ。


だから、私はこんなこと望んでいなかった。

神様なんか信じちゃいないけど、今だけ言わせてください。


何でこんな運命押しつけたんですか!!!




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ