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転校生がやってきた!&心菜の師匠爆誕!?

私、心菜は<注意>を心のなかで唱えたりするのをやめます!

いきなりだけど、気づいちゃたんだよね。

普通の友達って<注意>とか<仲友大作戦>とか決めてないんだって!(絆から指摘された)

<仲友大作戦>はまぁ、いいことらしい。

っということです!

はぁ、ヤバイ。

心の準備できてない。

「お前らー。席につけー」

いつも通り、先生が言う。

だけど、いつもと違っていた。

「転校生だー」

転・校・生?

今、4月だよ?

もうすぐ5月だけどね。

私は朝日くんの席を見る。

やっぱり教室中はざわめいている。

なのに、朝日くんは熟睡している。

マジか・・・

そうこう思っているうちに、転校生が入ってくる。

短く黒い髪を横でポニーテールにしている。

すると、転校生の赤い瞳がキラッと一瞬輝いた気がした。

その転校生は私の方を見ている。

いや、睨んでいる。

「自己紹介をしてもらうぞー」

先生がそう言うと転校生は私を睨む(?)のをやめて、前を見る。

そして、黒板に名前を書き始めた。

書き終わり、転校生はもう一度前を見る。

「不知火雷火です。これからよろしくお願いします」

転校生、不知火さんはクッキリ大きい声で言う。

・・・

私は朝日くんの方をチラッと見る。

まだ寝てる・・・

後々大丈夫?朝日くん・・・

「不知火に質問をしていいぞー。聞きたいことがあるやつは言えー」

次々に手が上がる。

おー。凄い勢い。

「雷火ちゃんの趣味はなんですか?」

「運動です。得意なことでもあります」

「誕生日はいつですか?」

「10月2日です」

「好きな食べ物はなんですか?」

「食べ物ではないですが、コーヒーが好きです。あっ。好きな食べ物ではピーマンが好きです」

へぇ。大人っぽいなぁ。

オレンジジュースとかの甘いものが好きな私とは大違いだ!

それに、私ピーマン嫌い・・・

苦いじゃん・・・

「嫌いな食べ物はありますか?」

「リンゴとか苦手です」

えっ。リンゴ甘くて美味しいのに!?

う〜・・・

共感できることが一個も今のところない・・・

「他に質問はないかー」

誰も手を挙げない。

「ということだ。不知火はあの空いている席に座ってくれ」

「はい」

不知火さんは私の席から一番遠い席に座る。

ちょっとホッとした・・・

最初睨んできた(?)からね。

私はそう思ったのでした。

                       ♡

「朝日くん・・・」

「ん?」

私は弁当を食べている朝日くんに声をかける。

「私、不知火さんになんかしたっけ?」

「・・・いきなりどしたの」

「いやぁ。睨んでくるの。朝の自己紹介の時からほとんど」

「気のせいじゃないの?」

「違うよぉ。最初は気のせいだと思ったけどさぁ。移動教室から帰った時に不知火さんからの手紙が机に置いてあったんだけどさ・・・なんて書いてたと思う?」

「うーん・・・仲良くしてくださいとか?」

「ち・が・う!そんなんじゃないよ!」

「じゃぁ、なんて書いてたの?」

「それがね、『放課後、屋上に来い。あたしと勝負しろ』って書いてたんだよ〜!意味わかんない!」

「・・・ファイト」

「ファイトじゃない!ということで、友達として一緒に来てもらいます!」

「え〜」

「え〜じゃない!もしいい人だったり、うまくいったりしたら友達になれるかもしれないじゃん!」

「どうしたらそういう考えになるの?『あたしと勝負しろ』っていう内容の手紙届いてる時点でヤバイから」

「そっかー・・・」

「そうだよ。それに、僕を面倒事に巻き込まないで」

「うん。一人で頑張ってみる」

「頑張って」

ということできました放課後!

もちろん私一人で!

そして目の前には不知火さん!

ガチでめっちゃ睨んできて怖い!

でも怯んじゃだめ私!

こんな所で負けられない!

私は気合を入れて不知火さんを見る。

まずは避けられないかやってみる!

「初めまして。私は花井心菜といいます」

「知ってる。花井!あたしと勝負しろ!」

「勝負ってなんの勝負ですか?」

「お前、学園一の美少女とか言われてるらしいけどなぁ。お前、友達いないんだろ。コミュ力ゼロで」

うっ。図星だ・・・

でも、なんで知ってるの!?

初対面でしょ!

ど、動揺しない!

とにかく返事!

「はい。私には確かに友達もいませんし、コミュ力もゼロです。ですが、今は一人だけ友達がいます。初めて本音を言えた友達が。なので、今は友達がいないわけではありません」

「だが、それだけだろ。コミュ力ゼロなのは変わってない」

「そりゃぁ、まだ初めての友達ができたばっかりなので」

「それにしても、よくもまぁコミュ力ゼロなのに友達できたよな。凄い幸運だな」

こいつ、マッジで鬱陶しい!

勝負とか言って呼び出したのそっちなのに、まだ勝負始まってないじゃん!

「そういえば、勝負はまだですか?」

「まだだ。勝負をする価値があるのか見極めてるからな」

プチッ。

私の何かが切れた音がした。

ふぅ・・・

こんな些細なことでムカつくほど怒りっぽくないのになぁ・・・

でも、こいつなんで友達のことばっか!

仕方ないでしょ!これが私なんだから!

私、怒ったら怖いよ?

そんな怒らないけどさ。

私は一応と持って来た石をポケットから取り出す。

石は手のひらサイズのデカいやつだ。

私はその石を思いっきり下に投げつける。

石は綺麗に割れてしまった。

不知火さんはちょっと後退りしている。

「この石みたいになりたくなかったらさっさと勝負して終わらせて」

私は冷たい笑顔を作っていう。

不知火さんはガチで怖がっている。

「しょ、勝負はもうしている」

「・・・は?」

「さっきの会話が勝負だったんだ。私はお前が一人でいたから友達いないんじゃないかと思って、わざと睨みつけたりして勝負ふっかけたんだ」

「・・・そうだったんだ!」

私はパァっと満面の笑みを作る。

「ホントはすっごく優しかったんだね!不知火さんは!はぁ、良かった。悪い人だとどうしようかと思った!そうだ!不知火さんっ!私を弟子にしてください!」

私は本気でお願いする。

ぜひこの人の弟子になりたい!

「い、いいぞ。なんの弟子なんだ?」

「不知火さんのすべてです!コミュ力とか強さとかもう全部です!」

「そ、そうか・・・」

「どゆこと?」

後ろから声がした。

振り返ると帰ったはずの朝日くんがいた。

「あ、朝日くん!」

「心配で追尾してたけど、マジでどゆこと?なんで花井さんはいきなり弟子に?」

「この人の弟子になりたいと思ったから!」

「もしかして、こいつが花井の友達か?」

「朝日晴。同じクラスだよ」

「晴・・・あっ!朝寝てたやつか!」

「そうだよ」

「ねぇ、師匠!」

「いきなりの師匠呼び」

「私のことは心菜と言ってください!」

「わ、わかった。心菜」

「あっ!朝日くんも私のこと心菜って言ってね!花井さんじゃなくて。友達なんだからさ!」

「わかったよ心菜。僕のことも晴って呼んでね」

「うん!晴くん!」

こうして、不知火さんこと師匠のおかげで朝日くん、いや晴くんとの友達度も上がったのであった。

                      ☀

私は家に帰ると、弟の部屋の引き戸をドンッと思いっきり開けた。

「ノックくらいしろ。それと思いっきり開けるな。壊れる」

「これまで一度も壊れたことないから大丈夫!それより、絆!」

「それよりっておい」

「今日、私に師匠ができた!」

「そう・・・えっ師匠?」

「うん!不知火雷火といってね、今日クラスに転校してきたの!」

「つまり、その初対面の転校生の不知火さんの転校初日に弟子入させてもらったと」

「そう!多分!」

「多分って・・・」

「そんな難しいことはわかんないよ私!」

「はいはい。姉さんのバカ度がわかった」

「バカ度!?」

「とにかく部屋から出ろ。宿題中だ」

「はいはーい」

私は、そう言うと絆の部屋を出た。

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