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心菜の弟、絆&パンケーキ屋さん

部活が終わったあと、私は夏希さんのことを考えていた。

夏希さんも朝日くんと似て、綺麗な人だったな・・・

そういえば、高校一の美少女がいるなら高校一のイケメンか美少年いるよね?

そしたら一体誰なんだろう?

朝日くんは綺麗だけど多分違うから、違う人だよね。

よし!聞き込み調査するか!

っということで聞き込み調査開始!

「マネージャ〜!」

「どうしたんだい?」

「いきなりなんですが、高校一のイケメンか美少年っていますか?」

「本当にいきなりだな・・・高校一の美少年はいないぞ」

「えっ」

「だが、中学に同じ男子としては悔しいが、とびっきりの美少年がいるらしいぞ」

中学?それってまさか・・・

ううん。違うよ!違うって信じたい!

「何年生なんですか?」

「3年生だった気がするよ」

ヤバイ。それが弟っていう可能性がどんどん上がっていく・・・

「な、名前は知っていますか?」

「いいや、そこまでは知らないぞ」

「ありがとうございます。教えてくれて」

「それにしてもいきなりどうしたんだ?」

「美少女がいるなら美少年もいるかと思いまして」

「そうなのか」

「どうしたの?花井さん」

「副マネージャー!」

ひょこっと副マネージャーが現れる。

「あ、あのっ。中学一の美少年の名前って知ってますか?」

「へ?知らないの?まぁ、中学だもんね。でも、近くの中学だし知っといたほうが損じゃないよ。名前は絆っていうらしいよ」

絆?

・・・絆って花井絆?

絆って私の弟の名前じゃん!

絆、高校一の美少年って言われてたの!?

「お、教えてくれてありがとうございました!」

「ああ。じゃあな」

「じゃねー」

私は急いで家へ帰った。

                       ☆

私は自分の部屋に入ってある一冊のノートを手に取る。

これは<仲友大作戦>&<注意>をまとめたノートなの。

忘れちゃうかもしれないからね。

あと、作戦を書いたりとかそういうのに使うの。

それで私思ったんだけどさ、姉同士で友達になったらさ弟同士でも友達になってほしいって。

そのためにはどうしたらいいかな?

でもやっぱり朝日くんがちゃんと行動しないと友達できないと思うから、行動してもらうにはどうしたらいいかな?

とりあえず、朝日くんと絆が対面してもらってからだよね。

とりあえず、明日の予定でも考えよ。

確か、パンケーキ屋さんが近くにできたんだよね。

そこ行ってみよっかな。

私はそう、予定を決めるのであった。

                      ❀

私は今、パンケーキ屋さんに向かっていた。

昨日いきなり決めたんだけど、楽しみ!

そのパンケーキ屋さんって大きいショッピングモールにあるんだ。

ついでに服でも買おうかな?

で、今日は一人で来たんじゃない。

弟である絆と一緒に来たんだ!

「弟よ」

「その言い方やめろ」

「なら絆。友達が後ろの柱に隠れているんだが、どうしたらいい?」

「友達いたんだな。うっかりいないと思ってた」

「いるわ。失礼だな。まぁ、初めての友達だけど」

「ほぼいないといっしょじゃねーか」

「そういう絆はいるの?」

「いる」

「マジか」

「マジ」

「てっきりいないと思ってた。私と同じ血が流れてるし」

「お前こそ失礼だな。同じ血が流れているのはあまり関係ない。それに、俺にはちゃんとした友達がいる」

「絆みたいな性格なやつほど友達いるよね」

「聞こえてるぞ」

「すんません」

もはやどちらが弟か姉かわからなくなってきている。

「あっ。朝日くんのこと忘れてた」

「友達なのに最低だな」

「失礼なやつに言われたくないですぅ」

「とりあえず声でもかけたらどうだ?」

「そうする。おーい、朝日くんー!」

ビクッと朝日くんの肩が上がった気がする。

それはいいとして。

私と絆は朝日くんに近づいていく。

「こんにちは。朝日くん。偶然だね」

「う、うん。姉さんといっしょに来たんだけど、服屋に行っちゃてて」

うん?これはもしやチャンスでは?

直感的にそう思った。

夏希さんが服屋にいるなら私も先に服屋に行ってるから待っててーって行ったら、二人っきりできるっくね?

「そうなんだ。そうだ!私先に服屋行くから絆待ってて!」

私の企みを察したであろう絆は、

「・・・わかった」

私は口パクで

(サンキュー)

と言ってから服屋に向かった。

そのころ二人は・・・

「こんにちは」

「こ、こんにちは。僕は朝日晴といいます」

「俺は絆です。俺のほうが一つ年下なので、敬語は使わなくていいですよ」

「もしかして、花井さんの弟さんですか?」

「はい」

「姉さんと花井さんも仲良くしているみたいですし、絆さんも仲良くしてください」

「はい」

っと挨拶をしていた。

それをこっそり見ていた心菜は、満足していた。

最初の段階は成功!

「あら?偶然ですね。心菜ちゃん」

「夏希さん!こんにちは!本当に偶然ですね。ちょうど朝日くんと一緒に弟が待っているから一緒に戻りましょうか」

「そうですね」

私は夏希さんと一緒に二人の所に戻った。

「おーい!」

「早いな」

「いいでしょ?あっ。この子が弟の絆です」

「こんにちは」

「こんにちは。わたくしと晴は買い物が目当てですがお二人はどうしてここに?」

「新しくできたパンケーキ屋さんに行っていたんです」

「パンケーキ屋さんですね!できたら一緒に行ってもよろしいでしょうか?」

いきなり!でも、朝日くんの友達が増えるチャンスだ!

「いいですよ!」

「ありがとうございます」

私と絆は朝日姉弟と一緒にパンケーキ屋さんに向かった。

                      ♡

「美味しかったー!」

私たちは店を出る。

「お二人のおかげでお気に入りのお店が出みました。ありがとうございます」

「私も楽しかったですし、いいですよ。私たちはまだここにいますけど、お二人は帰るんですよね?」

「はい。また明日会えると良いですね」

「はい!」

私と絆は二人と別れたいあと、二人が歩いていっている逆の方向に歩き出した。

「楽しかったね。朝日くんのお友達も増えたことだし」

「あの服屋のやつ、それが狙いだろ」

「せいか〜い」

「てか、夜食食べれんのかよ」

「食べれるかな?せっかくお母さんとお父さんがいるってのに食べれないかもね」

「運動するか」

「嫌」

「きっぱり言うな。今回だけだぞ」

「え〜。いつもがいい」

「だめだ。太るぞ」

「それも嫌」

「はぁ・・・本当にお前は」

「ごめんなさいね。こんな姉で。失礼な弟よ」

「はいはい。失礼な姉よ」

「失礼は絆でしょ!」

「どうしたらそうなる!失礼なのは姉ちゃんの方だろ!?」

ぐぬぬ・・・と睨み合ってから、二人ではぁっとため息。

「お土産買ってく?」

「そうするか」

私と絆はお土産を買いに向かった。

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