お昼休みの出来事
やっと来た〜!昼休み!
朝日くんと昼食今日こそ食べるぞ!
前も朝日くんにいっしょに食べようって誘おうとして緊張しちゃったんだよねー。
それで他の子に誘われちゃって。
断ったんだけどその子「なんで?」って聞いてきたの。
そこまでする!?普通!
その時はさすがに朝日くんといっしょに食べたいからとか恥ずかしいから言えない!って思っちゃったの。
今考えるとなんでだろうって思えてきちゃうけど。
一応朝日くんも男の子だからかな?
過去の事は今考えない!
めっちゃ考えちゃったけど。
とりあえず、今は朝日くんをご飯に誘う事に集中!
・・・よし!
「朝日くん!」
「うん?どうしたの?」
「も、もし良かったらいっしょにご、ご飯食べよ!」
い、言えた〜!
良かったあ!
「・・・別にいいよ」
少し間があってから返事が返ってくる。
やったー!!
目標達成!
「おい!あれ見ろよ!」
「あ!もしかして朝日誘ったの?勇気ある〜」
「違うって!花井の方からさそったんだよ!」
「え?マジ?朝日と花井、席が隣同士なだけで友達とは思っていなかったな〜」
っと囁く声がわざとそう言ってるの?って思うぐらいめっちゃ聞こえる。
そういえば、朝日くん大丈夫なのかな?
目立つの嫌だよね?
私は朝日くんの方を見る。
やっぱり朝日くんは嫌な顔している。
「ご、ごめんね。屋上行こ」
私は小声で言う。
「うん」
私と朝日くんは弁当を持って、屋上に向かった。
♡
幸い、屋上には誰もいなかった。
私と朝日くんはお互いにベンチに座る。
「ごめんね。ああいうの嫌いでしょ?」
「大丈夫だよ」
良かったあ・・・
「それより、花井さんは大丈夫?」
「へ?何が?」
私は少し驚いてしまう。
私が心配されるようなことあったかな?
「だって、花井さんも注目されたりするの苦手でしょ?」
「へ?いや苦手じゃないよ。だっていつも注目されてるし。自慢じゃないよ?でもそれで慣れてるし。注目されるとそれに自分を見てくれてる気がして嬉しいもん」
「嘘だよね?」
「いや、本当だよ?」
「ねえ、花井さん。本当のこと話して」
「えっ」
いきなり何?
でも正直な所、私って友達いないかも。
可愛いからって校長の娘だからって理由でみんな私に近づいて来たから。
本当のことを話すのは、正直怖い。
なぜかそう思ってしまう。
もし話してしまったら、どういう反応されるだろう?
怖い、けど、でも、もう夜に一人で泣きたくない。
夜に後悔したくない。
それに、友達って本当のことを話し合える関係だよね。
友達になりたいなら、言わなちゃ。
「・・・朝日くんが本音を話してくれたら話す」
「僕の本音?なんで?」
「人には聞いておいて自分は言わないとかだめでしょ。それに、いきなりは無理だから、お手本見せてよ」
「・・・わかった」
少し間があってから朝日くんは何か決意したような覚悟を決めた顔で言う。
「僕は正直友達ってなんだろうって思ってたの。友達一人もずっといなかったから。それでみんなのことが羨ましかったんだ。なんでだろうね。僕は別にクラス内で有名にならなくていい。ただただ・・・友達が欲しかったんだ」
朝日くんは落ち着いた声音で言う。
でも多分心の中はモヤモヤしていると思う。
私はそうだからから。
でも「欲しかった」てことはもう欲しくないってことだよね。
諦めちゃたんだ。
自分には友達はできないって。
そんな願いも叶わないんだって。
友達が欲しいって願いは簡単そうだけど、願うほどじゃないと思うけど、実はものすごく難しいことなんだ。
これは私も同じだからわかること。
「僕の本音、言ったよ。だから教えて。花井さんの本音」
私の本音。
聞く分は大丈夫。
朝日くんの本音は共感するけど。
でもそれは心の中だからバレることはない。
だけど言ったら聞いている人全員にバレちゃう。
本音、声に出したことないな〜・・・
「・・・私はこう見えて、全然友達いないの。「友達になってください!」って言う子は私の外見でなろうって言ってる。それが悔しいの。注目されるのは自分を見てくれてる気がして嬉しい。でも実際は見ているのは私の外見。これまでもずっと私に近づいて来た人たちは全員、私がこの高校の校長の娘だから、美少女だから。そんなのもう嫌なの。高校一の美少女じゃなくていい。高長の娘じゃなくていい。わたしはっ友だちが欲しいだけ。みんなわかってくれない。私の本当の気持ちがわからなくていい。わかるわけないもん。だけどっ私の気持ち、考えて欲しい。美少女とか言われても全然嬉しくない。もう、夜一人で泣きたくない」
初めて、本当の気持ちを言えた。
言うとなんかちょっとだけ心が軽くなった気がする。
相談したら楽になるって本当なんだな。
「・・・あれ?」
私は自分が泣いていることに気づく。
泣いていることに気づかないことってあるのかー・・・
「・・・ねえ、花井さん」
「どうしたの?」
私は顔を上げて朝日くんの顔を見る。
朝日くんはいつもの顔をしている。
けど、顔がちょっと赤い。
「花井さんが良ければその・・・僕の友達になってくれる?」
いきなりの質問。
私は声を上げれないほど驚く。
「だめかな?」
「ううん!いいよ!まず私からなりたいほど!」
「良かったあ・・・ありがとう、花井さん」
「こちらこそ、友達になってくれてありがとう!朝日くん!」
こうして私と朝日くんは友達になった。
多分、今起こった出来事は絶対に一生忘れないかもしれない。
いや、忘れたくない。
私は自然に笑顔になる。
「それでさ、花井さん」
「どうしたの?」
「花井さん、「校長娘」って言ってたでしょ?」
「うん。そうだよ」
「もしかして、花井さんってこの高校の校長の娘なの?」
「?そうだけど、どうしたの?」
「「どうしたの?」じゃないよ。僕、花井さんが校長の娘ってこと初めて知った。確かに花井さんの苗字と高校の名前同じだもんね。でも、僕ずっとたまたまだと思ってた」
「・・・そんなことってあるのかな?でも、私この高校の全員私が校長の娘だってこと知ってると思ってたよ。でもちがったんだなー。いや、朝日くんがたまたま知らなかっただけかも?もうどっちでもいっか。・・・って弁当食べてない!」
「ホントだ」
その後、私と朝日くんは急いで弁当を食べた。




