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喪服と少女の物語 校正版

作者: quo
掲載日:2025/11/22

ある家のクローゼットに、美しい喪服が眠っていました。それは高価な布を使用し、有名なデザイナーが手掛けたもので、誰もが見た瞬間にその美しさに魅了される喪服でした。


ある日、その家の少女がクローゼットを開けて、その喪服を見つけました。彼女は喪服の美しさに魅了されました。喪服の少女に向かって、誰が亡くなったのかと問いかけましたが、少女は誰も死んでいないと答えました。


それから度々、少女はクローゼットを開けます。喪服とおしゃべりをするために。最初は喪服に質問をし、それに喪服が答える。生地のこと、デザイナーの事、いつからここにいるのか等々です。話す内容は、徐々に少女自身の事を話すことが多くなっていきました。学校のこと、いじめっ子のこと、花壇のお手入れが好きなこと、数学が嫌いなこと。


時間が経つにつれて、少女は成長し、恋の話や仕事の悩みの話をするようになりました。いつしか、結婚して子供が生まれました。少女は、クローゼットの喪服と話し続けました。かわいい子供の話、夫への愚痴、意地悪な隣人の話、今年咲いた庭のバラがとてもきれいな話。


長い年月が経ちました。少女は老いていきましたが、クローゼットの喪服と話すことを止めませんでした。ある時、喪服は陰干しのついでに庭を見せてもらいました。力強く緑の葉をつけた木々、優雅に羽ばたく蝶、美しく咲き誇る薔薇たち。クローゼットの暗闇、悲しみに暮れる人々の群れ、涙に濡れる教会しか知らなかった喪服はとても感動しました。


ある日、知らない女性がクローゼットを開けます。その女性はあの少女と、とてもよく似ていました。喪服は少女が死んだことを悟りました。



少女を見送った喪服はクローゼットでまた眠りにつきました。



暗い暗いクローゼットの中。光が差し込みます。眠りから覚めた喪服は、目の前の少女がいるのに気付きます。喪服を見つけた少女は、喪服の美しさに魅了されます。少女は喪服に話しかけます。しかし、喪服は何も答えることはしませんでした。


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