001_異世界転移は突然に。
「ミヤコ先輩、報告書チェックおねがいしまーす。」
「ミヤコ、Zoom飲み会のセッティングお願い」
「経理部にこれ持って行ってよ、ミヤコくん」
頼まれたら断れない性格の春海 美夜子(28)は、いつも会社のみんなに頼りにされて充実した生活をしていた。ただ1つ、恋愛面を除いては。
少しきつめの美人であるミヤコは、大学時代はわりとモテたのだが、就職してからはさっぱり。仲の良い友人や会社の同世代の男性はみんな結婚している。
「今日は年末、仕事納めだー!明日から何しよう。暇だなー」
ミヤコにとっては特に孤独な期間である。
友人らは家族と過ごすし、両親はすでにいない。
「こういうときは、スキルアップのため勉強しよかな。動画見放題のUde*y businessで、ITの勉強しておこう。言語はpythonがいいな、pythonのコースは~と」
するとどこからかいろんな声がした
「寂しいやつじゃのう、真面目過ぎるのも考えものじゃのう。」
「わたしが加護を与えたのに、何をしてるのかしら」
「運命の結婚相手候補はもうみんな、縁がなくなってしもうたの」
次の瞬間、ミヤコは真っ白な世界にいた。
「あれ、ここどこ?やたら白いけど、疲れてるのかな?」
「我々が呼んだんだよ、ミヤコ。君は今の生活に満足しているのかね?もしもっと充実した生活がしたければ、転生してみないかね?」
「は?転生?よくわからないけど、いいです。帰ります」
「いやいや、少し待ってくれ説明すれば。。。。」
「いや、怖いんで帰ります。」
ミヤコがたまたまあったドアを開けると、強い力で引っ張られた。
「危ない!そこは時空の扉じゃぞ」
と、神様ぶった何かは叫んだが、時はすでに遅し。
ミヤコは真っ暗闇に飲まれていった。
(続く)