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魁!ちんちん小学校10!

 ちーんコーンかーんコーン。

 ちんちん小学校の遠足は家に帰っても続く。


「ババババ! 遅刻遅刻ゥー!」


 ちんちん小学校21号生の皮余俊介は、黄昏の空の下、先生も生徒も下山した近所の山の中腹で襲い掛かる蚊とか蚋相手に徒手空拳で戦っていた。


「兄貴ィー、兄貴大変だ―!」

「どうしたサブ!」


 16勝256敗と大幅に負け越した俊介の元へ、サブと呼ばれる舎弟の少年が駆け寄って来る。


「縮れ毛先輩が罠にかかって全部むしられたそうです!」

「なんだって……! ゆるせねえ、ゆるせねえよ! おいサブ! その罠の野郎はどこだ!」

「こっちです!」


 そう言ってサブと呼ばれる少年は山の頂上の方向へ走り出して落とし穴に落ちた。


「そこか! 縮れ毛先輩の仇!」


 走る俊介の足が少し色の違う地面を踏むと、上から網が落ちてきて絡まった。


「何だこれ! 放せ!」


 その場で網から逃れようと暴れる俊介の手が、細い糸をひっかけたら墨汁の入ったたらいが落下。

 鈍い音とともに黒く染まる俊介。


「目が! 目がぁ!」


 よろよろと歩く俊介の足が「踏むな危険!」と書いてある地面の板を踏んづけると、横から丸太が飛び出してきて俊介をぶっ飛ばした。

 飛んだ先にあったのは全自動リヤカー。

 意識を失った俊介がその荷台にすっぽりと収まると、発電機のエンジンが始動してライトに明かりがついてモーターの駆動音が鳴りだし、荷台に漏電して俊介の意識を戻した。


「あばばばば!」


 元気そうな俊介を乗せたリヤカーは、ふもとに向けてフルアクセルで発進。

 途中で病院を自称するテントを搭載した軽トラックに衝突して大破。

 他人の皮を移植された俊介の皮がさらに伸びた。

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