ちんちん小学校3
♡*: .。. 第二話『一時間目』.。. :*♡
ちーんこーんかーんこーん。
ちんちん小学校の一時間目は、他の科目に比べると早い。
「いっけねー! 遅刻遅刻ぅー!」
少し大人になった皮余俊介は、パンクでロックなビートにのせて教室に飛び込んできた。
「ギリギリセーフ!」
「あっ! 兄貴! 心配してたんですよ!」
ガラスの破片と一緒に血まみれで転がる俊介の元へ、サブ (本名田中五郎)が駆け寄る。
「おうサブ! この通りビンビンしてるぜ!」
「さすが兄貴! でも何で学校へ? 卒業したんじゃ」
サブの言葉に俊介は片目をつむり、流れる血は床に赤い模様を描いた。
「卒業したからって終わった訳じゃねえ。まだ、俺はやれるのさ!」
「兄貴ぃー!」
「はい席についてー。保健体育の授業を……おや?」
教室に入ってきた初老の教師が俊介の存在を認識する。
「またかね俊介君、きみ卒業しただろ」
「先生! 俺……まだやれるんです!」
「じゃあちょっと待ってなさい」
「はい!」
ちょっと待ったら警察が来た。
「警察署でお話しようか」
「先生行ってきます!」
白黒神輿に乗せられた俊介はまだ見ぬ世界へ旅立つのであった。




