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さよならの理由――ずっと一緒だって言ったのに
「んもおおお!」
アメリカバイソンの牛子さんが叫び声をあげた。
牧場最強の牛子さんが理性を失い暴れだせば、嵐のように何もかもをなぎ倒してしまうだろう。
草むしり見習いのタケルは牧場を守るため、決死の覚悟で牛子さんに近づいた。
いつ爆発するともしれない爆弾のような牛子さんを刺激しないよう、一人だるまさんが転んだで距離をつめる。
どうにかたどり着いたタケルは落ち着かせるため乳を搾ることにした。
「落ち着いて、落ち着いて牛子」
「んもおお!」
と、ここでネタばらし、牛子さんはオスだった。
「んもおおお!」
別のが出た。