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ちんちん小学校幟

 ちーんコーンかーんコーン。


「しまった、遅刻遅刻ゥー!」


 ちんちん小学校と同じ県に住んでいる皮余俊介は、町内一の発明家を夢見るアリスちゃん。日々アイデアを温めてはトイレに発射していた。


「このままじゃ間に合わない……そうだ!」


 俊介の頭上にフィラメントの電球が煌々と輝き、周囲の闇を切り裂いて聖なる光、すなわちホーリー。

 光の柱はゆっくりと持ち上がるように屹立、先端から花火があがった。


「兄貴ぃー、兄貴大変なりー!」

「サブえもん!(死)」


 ネコ型ヒューマノイドのサブえもんが、コロッケをぶちまけながら合体と変形を繰り返し微妙に歪んだ状態で走ってきた。


「縮れ毛先輩がヌードモデルになっただす!」

「ピコーンときた! サブえもん、僕の中でおしっこして!」

「しょうがないなあ、皮がのびた君は」


 ピカピカピカーン


「しびん~」

「ありがとうサブえもん!」


 俊介はしびんを奪うように受けとると、内容物の確認もせずに一気にあおった。


「ごぶうぇ!」


 咽頭部の生物学的反射が内容物を拒絶した。

 吹き出された内容物は、清廉な朝の大気に拡散され、一日の始まりを告げる朝日を乱反射、空に七色の模様を描いた。


「おげえええ!」


 さらに四つん這いになった俊介は、引き続き内容物を朝露でしっとりと濡れる草むらにぶちまける。


「しょうがないなあ、皮がのびた君は」


 ピカピカピカーン


「グリセリン浣腸~」


 特大サイズの注入器を掲げたサブえもんは



(しばらくお待ちください)



 新たな扉を開いた俊介は、発明家としての第一歩を通りすがりの人が呼んだパトカーと救急車のセットと共に病院へ向かい力強いトルクは心地好い加速を生み出した。

 民家に立て篭もったサブえもんはグリセリンを使い果たし、警官の説得に応じて投降。

 ここに事件は薄汚い幕を閉じた。


(了)

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