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取り調べ

「吐け!」


 取り調べ室で若い刑事が声をはりあげる。


「へっ」


 ふてぶてしい態度のまま余裕しゃくしゃくでそれをあざ笑う容疑者。

 一触即発の空気の中、よれよれのスーツをだらしなく着こなす一人の中年男性が現れた。


「ここは俺に任せな」

「辰さん!」


 通称、落としの辰……彼にかかればどんな容疑者も罪を認めてしまうという。

 辰と呼ばれる刑事がゆっくりとした動きで、容疑者の向かいの椅子に座り、びくんびくんと痙攣しだした。


「んほおぉ」

「えっ」


 いきなり痙攣をはじめた辰に容疑者がひるむ。


「吐け!辰さんが堕ちてもいいのか!」

「!?」

「くりゅのおぉ」

「えっ? わ、私がやりました」

「らめぇ」


 いった。

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