表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花咲くサボテン  作者: oga
4/10

移動

(プライベートジェット!?)


 そう思った瞬間、地面が盛り上がる。


「え、うわっ、下?」


 砂の中から現れたのは、黒い車体。

何か、見覚えあるな~、と、それをまじまじと見つめていると、扉が開いた。


「お客さん、乗らないのかい」


 私はサクの方をチラと見やり、言った。


「これ、タクシー?」


 フルチンの男サクは勝ち誇ったように、腕を組んで胸を張った。


「おうよ、貴族御用達の砂中タクシーだ。 ラクダより楽な乗り物っつーことで、楽人(ガクト)って名前がついてる」


(が、GA○KT様!?)


 







 黒い車の正体は何とタクシーだった。

私が知っているそれとは少し違って、砂の中をドリルで突き進んでいるけれど……

と、言うか、私はこのGA○KTならぬ楽人という名前がいたく気に入った。


「いっつまーでもー君だっけーはー」


 私はオペラ歌手ばりに良い声で、GA○KT様の「君のためにできること」、を熱唱していた。

隣でサクが呆れた様に呟く。


「それ、ヴィジュアル系全盛期の時の歌じゃんか。 結構古くね?」


「うっさいわね。 私が小・中学の時にめちゃくちゃ流行ったんだから。 あ~、今聞いても胸に刺さるわ」


 私のスマホのプレイリストには、GA○KT様の楽曲がかなり入っている。

ヴィジュアル系と聞けば見た目重視と思われるかもだが、実は楽曲も素晴らしく良いのだ。

君のためにできること、はバラードだが、ライブ映えするロック・ソングも私の一押しである。

スマホでGA○KTメドレーを流している内に、気付くとタクシーは目的地へと到着した。

再び地面に浮上する。









「じゃあ、お代は5600円になりますね」


「た、高……」


 サクは貴族だと言うのに金を持ち合わせていない。

私は渋々、さっきの前金からそれを払った。

タクシーと別れると、私は辺りを見回した。


「……ここ、市内の入り口かしら」


「ああ」


 この砂漠の国では、様々な行商人が行き来し、各国から集められた珍しい品物の売買が行われている。

奇妙な壺、生地、果物etc……

だが、最近出来た「パーフェクトデパート」、のお陰で、それらを購入する客は消滅した。

サクは突然、自分の格好を思い出したかのように、デパートの方に体の向きを変えた。


「ちょっと下着とか買ってくっから、一万貸してくれ」


「……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 旗の代わりにふっていた、パンツはおいてくたんだwwで、裸で車にのって、裸で下着を買いに行くつもり・・^^;
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ